ボーナス併用払いは、毎月の返済に加えて年に2回、ボーナス支給のタイミングで多めにローンを返す方法です。住宅ローンで利用されることが多く、借りたお金を「毎月返す分」と「ボーナスで返す分」に分けて、それぞれ別々に返済していきます。

通常の毎月払いでは、決められた日に毎月同じ金額を返していきますよね。一方、ボーナス併用払いでは毎月の支払いに加えて、半年に一度、金額を上乗せして返済します。

ボーナス払いの基本的な仕組み

例えば3,000万円のローンを組むとき、このうち20%をボーナス払いに設定すると、ボーナス1回あたりの支払い額は約10万円です。この分、通常の月々の支払い額を少なくできるのが特徴です。

ただし注意したいのは、ボーナス払いに充てられる金額には上限があること。多くの金融機関では、借入金額の40~50%までと定めています。フラット35の場合は40%が上限となっています。

具体的な返済イメージ

返済方法 毎月の返済額 ボーナス月の返済額
毎月払いのみ 約9万円 約9万円
ボーナス併用払い(20%) 約7万円 約7万円+約10万円
※3,000万円、金利1.5%、35年返済の場合(概算)

このように、ボーナス払いを使うと月々の負担は軽くなりますが、年に2回はまとまった金額の支払いが必要になります。

ボーナス併用払いのメリット

ボーナス併用払いには大きく分けて2つのメリットがあります。それぞれ見ていきましょう。

毎月の返済額を抑えられる

最大のメリットは、月々の支払い額を少なくできることです。ボーナス払いの割合を増やすほど、通常月の返済額は減ります。

例えば車のローンなど他にも返済があったり、子どもの習い事で毎月それなりの出費があったりする状況では、月々の負担を減らせるのは助かりますよね。家計のやりくりに余裕が生まれます。

返済期間を短縮できる可能性がある

年収に占めるボーナスの割合が大きい人なら、ボーナス払いを使って年間の返済総額を増やせば、毎月コツコツ返すよりも早く完済できる可能性があります。確実にボーナスが出る職場で働いている人にとっては、返済しやすい方法だと言えるでしょう。

ボーナス併用払いのデメリット

メリットがある一方で、いくつか注意すべき点もあります。こちらもしっかり理解しておきましょう。

返済総額が増える

ボーナス払いを併用すると、毎月払いのみの場合と比べて総返済額が増えてしまいます。なぜなら、ボーナスでの返済は半年に1回しかないため、元金がなかなか減らず、その間の利息が膨らむためです。

例えば3,000万円を金利1.5%、35年で借りた場合、毎月払いのみなら総返済額は約3,858万円ですが、20%をボーナス払いにすると約3,860万円になります。差額は約2万円ほど。金額によってはもっと差が開くこともあるので、事前にシミュレーションしておくことが大切です。

ボーナスが減った場合のリスク

ボーナスの使い道があらかじめ決まってしまうのもデメリットです。景気の変動や会社の業績悪化で、突然ボーナスが出なくなったり減額されたりする可能性は十分あります。

ボーナス支給額に変動があっても、原則として返済額は変わりません。例えば月10万円のボーナス払いを設定していた場合、ボーナスがゼロでも通常月の返済額プラス10万円を支払う必要があります。ローンは家計の中でも高額な固定費ですから、返済計画が狂うと大きな負担になってしまいます。

ライフイベントへの対応が難しくなる

ボーナスを全額ローン返済に充ててしまうと、急な出費が出たときに困ることがあります。子どもの進学費用や家電の買い替えなど、まとまったお金が必要になったとき、貯蓄の資金計画に頭を悩ませることになりかねません。

旅行や趣味など、心を豊かにしてくれることにもお金を使いたいもの。将来のライフイベントを考えて、ボーナスの一部は自由に使える資金として残しておくことも必要です。

ボーナス併用払いに向いている人

では、どんな人がボーナス併用払いに向いているのでしょうか。

  • 公務員や大企業の正社員など、安定的にボーナスが支給される職場で働いている人
  • 年収に占めるボーナスの割合が比較的大きい人
  • 他のローンなどで毎月の支払いがあり、月々の負担を抑えたい人
  • ボーナス払いを利用しても、貯蓄に回す余裕がある人

逆に、ボーナスの支給が不安定な職場で働いている人や、将来転職や独立を考えている人、これから子育てにお金がかかる人などは、慎重に検討したほうがよいでしょう。

ボーナス併用払いが苦しくなったら

もしボーナス払いの返済が厳しくなってきたら、早めに対応することが大切です。

返済方法の変更を相談する

まずは契約している金融機関に相談してみましょう。ボーナス払いから毎月払いのみに変更したり、ボーナス払いの割合を下げたりできる場合があります。

ただし、返済方法を変更すると月々の返済額が増えるため、希望どおりの条件に変更できないこともあります。また、金融機関によっては手数料がかかることもあるので注意が必要です。

借り換えを検討する

希望の条件に変更できないときや、もっと良い条件のローンが見つかったときは、他の金融機関への借り換えも選択肢の一つです。金利差で返済総額を減らせる可能性もありますが、借り換えには手数料がかかるので、事前にしっかりシミュレーションしておきましょう。

繰り上げ返済という選択肢

ボーナス払いを設定せず、余裕があるときに繰り上げ返済するという方法もあります。繰り上げ返済なら、ボーナスの使い道を自分で決められるため、状況に応じて柔軟に対応できます。インターネットバンキングで手軽に手続きできる金融機関も増えています。

ボーナス併用払いを選ぶときのポイント

ボーナス併用払いを選ぶときは、以下の点をチェックしておきましょう。

  1. 今後もボーナスが継続的に支給される見込みはあるか
  2. ボーナス払いをしても、貯蓄に回す余裕があるか
  3. 将来のライフイベント(子どもの進学、住宅の修繕など)に備えられるか
  4. ボーナスを全額ローン返済に充てても、生活に支障はないか

理想は、ボーナスがなくても無理なく返済できる金額でローンを組むこと。ボーナス払いはあくまで「月々の負担を調整する手段」と考え、ボーナスありきで返済計画を立てないようにしましょう。

長期にわたるローンの返済では、想定外のことが起こる可能性も十分あります。心に余裕を持てる返済計画を立てることが、安心して暮らしていくために大切です。