
マイホームの購入を検討する際、住宅ローンの金利タイプは重要な選択肢の一つです。フラット35は、借入時に返済終了までの金利が確定する全期間固定金利型の住宅ローンとして、多くの方に利用されています。
フラット35の金利とは何か
フラット35の金利は、借入時に決定された金利が返済完了まで変わらない「全期間固定金利」です。住宅金融支援機構と民間金融機関が提携して提供する住宅ローン商品で、最長35年間にわたって同じ金利が適用されます。
通常の変動金利型住宅ローンでは、市場の金利動向に応じて返済途中で金利が上下します。これに対してフラット35は、景気変動や金融情勢の影響を受けず、毎月の返済額が変わりません。
金利が決まる仕組み
フラット35の金利は、毎月見直されます。実際に適用される金利は、融資を受ける月(資金受取月)の金利です。申込時ではなく、実際にお金を受け取る日の金利が適用される点に注意が必要です。
金利の水準は、以下の条件によって異なります。
- 借入期間(20年以下か21年以上か)
- 融資率(物件価格に対する借入額の割合)
- 団体信用生命保険への加入有無
金利引下げのポイント制度

フラット35には、条件を満たすことで金利が引き下げられる複数の制度があります。これらは「ポイント制」として運用されており、該当する項目が多いほど金利優遇を受けられます。
住宅の性能による金利引下げ
省エネルギー性や耐震性に優れた住宅を取得する場合、フラット35Sという制度により金利が引き下げられます。具体的には以下の3つのプランがあります。
| プラン名 | 引下げ幅 | 引下げ期間 |
|---|---|---|
| ZEHプラン | 当初5年間:年0.5% 6~10年目:年0.25% |
10年間 |
| 金利Aプラン | 年0.25% | 当初10年間 |
| 金利Bプラン | 年0.25% | 当初5年間 |
これらのプランを利用するには、断熱等性能等級や一次エネルギー消費量等級など、定められた技術基準を満たす必要があります。
子育て世帯向けの金利優遇
子育て世帯や若年夫婦世帯を対象とした「フラット35子育てプラス」という制度もあります。子どもの人数や住宅の性能に応じてポイントが加算され、最大で年1.0%の金利引下げを受けられる場合があります。
全期間固定金利のメリット

フラット35の最大の特徴は、借入期間中に金利が変わらないことです。この仕組みには以下のようなメリットがあります。
返済計画が立てやすい
毎月の返済額が最初から最後まで変わらないため、将来の家計管理がしやすくなります。子どもの教育費や老後の資金計画など、長期的なライフプランを立てる際に安心です。
金利上昇リスクがない
景気が良くなり市場金利が上昇しても、借入時の金利が続きます。将来の金利動向を心配する必要がなく、精神的な負担も軽減されます。
金利タイプを選ぶ際のポイント
フラット35の全期間固定金利は安心感がある一方で、一般的に変動金利よりも当初の金利水準が高めに設定されています。どちらを選ぶべきかは、以下のような点を考慮して判断することが大切です。
- 将来の収入見通しと家計の安定性
- 金利変動に対する考え方や不安の度合い
- 返済期間の長さ
- 繰上返済の予定の有無
固定金利と変動金利を組み合わせた「ミックスローン」という選択肢もあります。自分のライフスタイルや価値観に合った金利タイプを選ぶことが、無理のない返済計画につながります。
フラット35の金利を確認する方法
フラット35の最新金利は、住宅金融支援機構の公式サイトで毎月公表されています。取扱金融機関によって金利や手数料が異なるため、複数の金融機関を比較検討することをお勧めします。
金利だけでなく、融資手数料や保証料などの諸費用も含めた総返済額で比較することが重要です。また、住宅の技術基準や金利引下げの条件についても、事前に確認しておくとスムーズです。