住宅ローンを組む際、カードローンや車のローンなど他の借入を一本化できると聞いたことがある方もいるかもしれません。実はこれ、条件付きで可能な方法があります。ただし「住宅ローン=自由に使えるお金」というわけではなく、きちんとしたルールがあります。

そもそも住宅ローンの資金使途とは

住宅ローンは、「住宅の購入・建築・リフォーム」を目的として金融機関が提供するローンです。基本的には住宅取得に関連する費用にしか使えません。

使途 住宅ローンで対応できるか
住宅の購入費用 ○ 対応可
住宅取得に伴う諸費用(登記費用など) △ 金融機関によって異なる
カードローン・消費者金融の返済 × 原則不可
車のローン返済 × 原則不可
他の住宅ローンの借り換え ○ 対応可(条件あり)

カードローンや消費者金融などの「消費者ローン」を住宅ローンに組み込んで借り換えることは、原則としてできません。住宅ローンの低金利を目当てに他の借金を一本化するのは、金融機関の審査でも目的外使用として弾かれることがほとんどです。

他の用途への利用は、不適切利用と判断されかねないという危険性もあります。

「他社の住宅ローン」への借り換えは普通に可能

混同しやすいのですが、「他社ローンへの借り換え」の中でも、別の銀行の住宅ローンへの借り換えはごく一般的な手続きです。金利が高い住宅ローンを、より低金利の住宅ローンに切り替えるもので、多くの人が利用しています。

住宅ローン借り換えのメリット・デメリット

借り換えを検討するうえで、メリットとデメリットの両方を把握しておくことが大切です。

  • メリット金利が下がれば月々の返済額が減り、総返済額も少なくなることがある
  • メリット:固定金利・変動金利などの条件を見直す機会になる
  • デメリット:借り換え時に諸費用(登記費用・手数料など)が数十万円かかることが多い
  • デメリット:審査が通らないこともあり、年収や健康状態によっては断られる場合もある
  • デメリット:団体信用生命保険の条件が現在のローンより厳しくなることもある

諸費用を含めてトータルで得になるかどうかを計算してから動くのが、借り換えで失敗しないポイントです。

借り換えが向いているのはどんな人?

すべての人に借り換えがプラスになるわけではありません。一般的に、次のような条件が重なると効果が出やすいとされています。

条件 目安
金利差 現在のローンとの差が0.3%以上
残りの返済期間 10年以上残っている
残高 1000万円以上

残高が少なかったり、残りの期間が短い場合は、諸費用を払っても得にならないことが多いです。シミュレーションツールを使って事前に確認しておくと安心です。

カードローン等との「おまとめ」は住宅ローンではできない

複数のローンを1つにまとめる「おまとめローン」という方法がありますが、これは消費者金融や銀行のカードローンなど、消費者向けのローン商品として提供されているものです。住宅ローンとは別の話になります。

むしろ、おまとめローンは住宅ローンなどをまとめる用途には利用できないことがほとんどで、こちらの記事の通りカードローンやキャッシング、クレジットカードのリボ払いを一本化するような商品です。

おまとめローンと住宅ローン借り換えの違い

おまとめローン 住宅ローン借り換え
対象の借入 カードローン・消費者金融など 住宅ローンのみ
金利の目安 年5~15%程度 年0.3~2%程度
担保 不要なことが多い 不動産(自宅)が担保になる
借入限度の根拠 収入・信用情報 物件価値+収入

住宅ローンはあくまで自宅を担保にした特別なローンなので、他の借金と混在させることは金融機関も認めていません。「住宅ローンの金利が低いから、カードローンも一緒に借り換えたい」という発想は理解できますが、制度上それは別の話として扱われます。

不正な借り換えは絶対に避けるべき理由

住宅ローンで消費者ローンを返済する目的を隠して申し込むことは、金融機関に対する虚偽申告にあたります。発覚した場合、ローンの一括返済を求められたり、最悪の場合は法的な問題にも発展しかねません。

正しい方法で検討すべき選択肢

複数の借入を整理したいなら、目的に合った正規の方法を使うことが大切です。

  • カードローン・消費者金融の整理 → 銀行のおまとめローンや低金利の目的ローンへの借り換えを検討する
  • 住宅ローンの負担軽減 → 他行の住宅ローンへの借り換えや、返済条件の変更(期間延長など)を相談する
  • 全体的な家計の見直し → ファイナンシャルプランナーや銀行の相談窓口を活用する

それぞれの借入に適した方法を選ぶことで、無用なリスクを避けながら返済の負担を減らせる可能性があります。住宅ローンの借り換えと、消費者ローンの整理は「別の話」として、それぞれ正しいルートで対応するのが一番の近道です。